日々雑感 みぞぐち幸治のひとり言

2012年12月20日 (木) 13:15

家庭教育支援条例の提案理由説明

本日、議員提案で「くまもと家庭教育支援条例」が賛成多数で
可決しました。

その時の提案理由説明の報告です。

自由民主党の溝口幸治です。
自由民主党、民主・県民クラブ、公明党の共同提案によります
議員提出議案第3号「くまもと家庭教育支援条例」の制定について、
提出者を代表して提案理由説明を行います。

家庭教育に関する条例は、全国のどこの都道府県・市町村でもまだ制
定されていません。
そういう中、条例制定に向け、4月頃から具体的に動き始めました。

その矢先の5月に、橋下徹大阪市長が代表を務める「大阪維新の会」
の市議団が市議会に提案を予定していた「家庭教育支援条例案」に
「発達障害は親の愛情不足が原因」という旨の記述があり、

その条例案を事前に外部に漏らすという大失態を演じ、関係者に誤解
を与えるとともに不快な思いをさせ、当該市議団が謝罪して条例案の
白紙撤回をするという事件がありました。

このため、我々が検討する条例案も、同様の考えに基づいた条例案
ではないかという疑念や誤解が各方面から寄せられました。

ここではっきり申し上げますが、大阪維新の会の条例案とは全く違う
ものです。

そういう経緯があるため、当条例の制定に当たっては、誤解が生じ
ないように、丁寧な説明やきちんとした進め方をすることが大切であ
ると考え、そのように実行してきたところであります。

それでは、具体的に提案理由の説明をさせていただきます。
戦後、少子化や核家族化の進行、地域のつながりの希薄化など、
社会が大きく変化してきました。そのため、過保護、過干渉、放任
など家庭の教育力の低下が指摘されています。

そういう社会の変化に対応するために、国では、平成18年に教育
基本法を改正し、家庭教育の項目を第10条に新設し、すべての教育
の出発点である家庭教育の重要性を鑑み、「保護者が子どもの教育に
ついて第一義的責任を有すること、及び国、県、市町村が家庭教育支
援に努めるべきこと」を規定しました。

本議会におきましても、家庭教育に関して、平成21年2月定例会で
西岡県議、平成21年6月定例会で増永県議、平成22年2月と9月
定例会で小早川県議、平成23年6月定例会で髙木県議、平成24年
2月定例会で山口県議が質問をされたところです。

我々も、保育園、幼稚園、小中学校の先生方から家庭教育に関する
現場の声を聞かせていただき、家庭教育の重要性を感じ、さらに、
講演会、勉強会を開催して知見を深めた結果、家庭教育支援のあり方
として条例制定の必要性を感じることとなりました。

今回、条例制定を検討するに当たっては、超党派による検討委員会を
6月27日に設置いたしました。

なお、検討委員会は、地方自治法第100条第12項に基づく協議等
の場として、名称は、熊本県家庭教育支援基本条例(仮称)策定検討
委員会としました。
当委員会は6名の委員で構成され、6月から11月まで計6回委員会
を開催しました。

委員会では、熊本大学の古賀倫継教授、白梅学園大学の汐見稔幸学長、
明星大学の高橋史朗教授の3人の学識者から意見聴取し、さらに委員
間での協議を重ね、条例案を作成いたしました。

また、パブリックコメントについては、議員提案条例には義務付け
られていませんが、県民から広く意見をお聞きするため、
10月19日から11月19日までの約1ヶ月間実施し、93人と
いう多くの方々から御意見をいただきました。

主な意見として、「家庭教育支援」の必要性にかかる意見が20件
、障害児・者の家庭教育支援にかかる意見が16件、広報及び啓発に
かかる意見が12件、個人の価値観の自由にかかる意見が9件などで
ありました。

「家庭教育支援」の必要性については、条例の制定の根幹をなすも
のでありますが、家庭教育という個人のプライバシーの領域まで条例
で規定すべきでないという御意見や、逆に条例制定に大いに期待する
という御意見をいただきました。

これについて、検討委員会において十分議論をさせていただきました。
家庭
教育は、本来保護者の自主的な判断に基づいて行われるべきもの
ですが、先に申し上げたように社会の変化に伴い、県として家庭教育
を支援することが必要であるとする考え方をお示ししたところです。

次に、障害児・者の家庭教育支援にかかる意見については、
検討委員会においても十分議論をさせていただきました。

県では、障害を持った子どもを抱える家庭やひとり親の家庭などには
今までも配慮してきましたが、御意見にあった危惧を払拭するために、
あえて条例案に配慮する旨の項目を加筆しました。

また、パブリックコメントの期間中に、県内の障害児・者の親の会
の2団体及び県内大学で障害児・者に対する支援や臨床活動を行って
いる先生方9人連名の要望書の計2通が提出されました。

要望書の内容は、いずれも、条例案に障害のある子どもの家庭について
の配慮の記述がないことへの不安や疑念と発達障害者への支援策の
充実を要望するものでしたが、両者とも、実際にお会いして、
御意見をしっかり伺ったうえで丁寧に説明させていただきました。

なお、発達障害者への支援策については、県議会全体で力を入れて
取り組んでいる事項でもあり、現在策定中である発達障害者支援基本
指針を取りまとめ、きめ細かな施策を実施していく旨説明をいたしま
した。

このように、今回提案いたしました条例案につきましては、これまで
以上に丁寧な説明を心がけ、各会派でも議論していただき、
さらに検討委員会でも十分な議論を行ってきたことで充実した内容の
条例になったのではないかと考えております。

条例案は、前文と全17条から構成され、子どもたちの健やかな
成長に喜びを実感できる熊本の実現を目指して、「目的、基本理念、
県の責務、市町村との連携、保護者・学校等・地域・事業者のそれぞ
れの役割、親としての学びを支援する学習機会の提供、親になるため
の学びの推進、人材養成、家庭・学校等・地域住民等の連携した活動
の促進、相談体制の整備・充実、広報及び啓発」などを定めた条例と
なっております。
 
本条例が制定されることで、教育県熊本のこれまでの家庭教育支援
施策がしっかり位置づけられ、加えて新たな施策が実施されることで、
家庭教育支援がさらに強化されるものと考えております。

それとともに他の県の条例制定のさきがけになればと願っています。
議員各位におかれましては、何とぞ御理解をいただき、
この条例案に御賛同賜りますようお願いを申し上げ提案理由の説明
といたします。