日々雑感みぞぐち幸治のひとり言

びっくり!荒瀬ダム撤去方針凍結

2008年6月4日 (水) 16:25

午後4時半。県議会棟からそろそろ帰ろうと思ったが、荒瀬ダムについて続きを書いておくことにする。

蒲島知事は県営荒瀬ダム(藤本発電所)の撤去方針を凍結し、発電事業を継続する方向で再検討すると発表された。
これは、前知事が決定した全国初のダム撤去方針の転換になるので、相当な覚悟と勇気がいる決断だと思う。

蒲島知事は、凍結を決めた最大の理由は当初見込みを大幅に上回る撤去費用とのこと。
その他には、温暖化対策―などがあるそうだ。 
私は先ほどは当初の撤去費用は47億だと思っていたが、会見では「当初60億円と予想していた撤去などにかかる費用を精査した結果、12億円増の72億円と試算。代替の架橋費用20億円と、地域の井戸枯れ対策費八億円も合わせると百億円近くになる」と言われたそうだ。

温暖化対策の観点からは、水力発電を「二酸化炭素が発生しない純国産の自然エネルギー」と評価し、化石燃料の高騰や原子力発電への不安など世界的にエネルギー供給面の不安定さが増す中、水力発電の重要性が見直されていると発言されたとのこと。

また、発電継続には、老朽化した水車など補修で最大60億円が必要。
これを県営の九発電事業での内部留保30億円と企業債発行で賄い、九州電力に売電することで採算は十分とれるとのこと。
藤本発電所の発電を継続した場合も、純利益が約1億見込めるとか!

ダム撤去を望んでいた方々からすると、とんでもない知事が誕生したと思われるかもしれないが、冷静に判断すると、この発言からも分かるとおり、非常に現実的な対応をされる知事だとの印象に間違いはなさそうだ。

しかし、知事がいくら「川辺川ダムとは全く切り離して考えている」といっても、それは流域住民には結構無理がある話ではないかと思う。
ダムに反対する方々はもちろん、県庁に色々な手段を使って総攻撃?を開始するだろうし、川辺川ダム容認派の方々の中にも、「荒瀬と瀬戸石を壊して川辺川ダム建設」を主張する方もいる。
色々なところで色々な立場の方々がこの話で盛り上げるのは間違いない。
そして、県庁でも川辺川ダム対策課をはじめ、川辺川に関わる仕事をしている方々が忙しくなるのも想像できる。
もちろん、私も、色々な立場の方々に質問攻めに遭うことも予想できる。
「この時期に発表するかなあ~」と少々疑問を感じながらも、知事の決断力には敬意を表したい。

よし、人吉に帰ろうと・・