日々雑感みぞぐち幸治のひとり言

終わらなかった川辺川問題

2008年9月12日 (金) 07:55

午前7時半。自宅でパソコンを起動する。
今朝もいつものようにランニングからスタート。
昨日、蒲島知事がダムによらない治水対策を追求すべきであると判断したことを表明された。

悩みに悩んで判断されたことだと感じた。
「洪水を治める」という旧来の発想から脱却し、「洪水と共生する」という新たな考え方に立脚すべき。との発言が印象的だった。

我々は「より安全度を高める」という視点から治水対策を考えてきた。
「洪水と共生する」という言葉には、「安全度にこだわらず、一定の洪水は受け入れる」ということが含まれているように感じた。

最近、国交省幹部が「洪水を受忍すべき」との発言が問題になっていたようだが、「洪水と共生する」という言葉は、この「洪水を受忍する」という言葉と同意義なのではないか?

ある村長からの電話で「洪水の被害にあっている方に、また水防活動に当たっている方に、洪水と共生しましょう!と言えますか?」と問われてしまった。

確かに、水害の被害に遭う可能性がある地域の方々全員が、「洪水と共生する」という覚悟を示されれば、安全度を高めるためにダムを作る必要はない。

今後は、バラバラになった流域が「どこまで洪水と共生できるのか?受忍できるのか?」真剣に議論をしなければならないと思う。

ただ、知事の発言は発言として受け止めつつも、流域住民(県民)の生命・身体・財産をしっかり守るという県行政の本来果たすべき役割は、どこにいったのか?との疑問を持っている。
このことは来週からはじまる一般質問の中で議論されるはずだ。

また、見解の中で、不適切な例えをされ、とても残念な認識を示された。
まあ、これは本質の議論とは少し違うので、これ以上、この件については触れない。

とにかく、9月で川辺川問題が終わると思っていたが、また、始まった!といったところだ。
これから大切なことは、例え意見が異なっても、感情的になって対立するのではなく、お互いの立場や意見の違いを認めつつ、解決に向けて胸襟を開いて議論していくことだと思う。

追伸:五木出身で人吉に住む方から電話を頂いた。
年老いたお母さんが知事の見解を述べるシーンをテレビで見ながら、「今までなんだったのか?だったら、昔に返してくれ、元の生活に返してくれ」と言われたそうだ。
私も返す言葉は見つからなかった。
五木の振興策、これも大きな課題だ。