日々雑感みぞぐち幸治のひとり言

五木の尊厳2

2008年11月17日 (月) 08:12

午前8時12分。長男を送って再びパソコンの前に座る。

昨日の意見交換会のことを書いておきたい。
まず、和田村長が、五木村の機能回復と振興策について県にお願いをされた。

よく、マスコミ等では「五木の振興策が大事だ」との報道があり、県民の多くも振興策が大事だということは理解をされているようだ。

しかし、和田村長が常々言っているのは、振興策の前に五木村には機能回復が必要だということだ。

代替地に移ったために、農地がない農家が存在する。観光立村の要である整備、あるいは、国道、県道、村道の整備などは、代替地に移転するときの条件になっているとのこと。
これは、ダム建設事業を進めながら実行されていくことになっていた。
「ダムによらない治水対策を追求するのはいいが、機能回復をどう図るのかが明確に示されていない」というのが和田村長の主張だ。

昨日の意見交換会では「国にお願いする」「国に要望する」「国と連携する」との県からの回答で、県の気概!は村民には伝わらなかったと思う。

振興策についても、村民からは「いつも見ている資料と一緒」という評価が大半だったように思う。

知事が強調していたのは、福田前総理や金子国交大臣に五木村のことについては「何度もお願いをした」ということだった。
特に、「一国の総理が約束したものは重いと思っている。それが守れないようでは日本の政治は危ない!」とまで言われた。

村民からは、「辞めていかれる総理ではなくて、今の総理にもお願いしてほしい」との意見や約束との観点からは「五木村と国と県では平成8年にダム本体着工の調印までしているが、そのことはどうなっているのか?」との意見が出された。

知事は、迷うことなく「時代の流れの中で変更されていかれるべき!」と発言をされた。
私は一国の総理の約束も重いだろうが、平成8年の調印も非常に重いと思っている。
発言された村議の方も、あきれたのか後は何も言われなかった。

知事がどれだけ福田前総理や金子国交大臣にお願いしたと言われても、少なくとも五木村長や議員、そして我々地元県議も知事がもたれている認識を国が共有していないことを良く知っている。

だからこそ、これからどうしていくのか心配しているのに自分の正義だけ述べられても説得力がないのではないだろうか?

村民から「ダムに反対されるのは結構です。しかし、五木村のこと、下流域の治水対策をどうするのか、という代替案を示される方だと思っていました。今は残念です」という主旨の発言があった。

私も知事を一生懸命に応援した。
多くの方から「ダム問題の担保はあるのか?」と詰め寄られた。
「蒲島候補は9月に決断されるそうです。是非についてはどのような判断をされるのか良くわかりませんが、五木にお連れする度に、ダム建設の本質については理解を深めておられるようです。もしもダムに反対される場合には、国が検討可能な流域の治水代替案、及び五木村の振興策等の代替案を示されるはずです。そのような力がある方ですから、よろしくお願いします。」

と言ってきた。
正直、9月で終わると思っていた。

しかし、昨日、五木村に行って、改めて何も終わっていないことを痛感した。
会場の体育館にいる間、胸が痛くて痛くてどうしようもなかった。

これからがまた大切だ。
知事を批判してもしょうがない、応援した以上、これからも責任として「是は是、非は非」の態度で接していく。

まずは、知事と五木村民との「感覚のズレ」をなくしていく作業をしなければならない。
少なくとも、この「感覚のズレ」は会場にいた県職員には理解できていると思う。