日々雑感みぞぐち幸治のひとり言

くまもと地産地消県民条例

2009年3月3日 (火) 16:25

午後4時25分。県議会棟で更新。

本日の本会議で全会一致で可決した「くまもと地産地消推進県民条例」をUP。
忙しい方のために重要なところには下線を入れてみた。

提出者の説明については別にアップすることにする。
くまもと地産地消推進県民条例 

我が国の農林水産業は、古くから食料その他の農林水産物の供給に加え、国土の保全、水源のかん養、自然環境の保全、良好な景観の形成、生活文化の継承等多面にわたる機能を発揮し、国民の暮らしを支えるとともに地域の活力を生み出してきた。

しかし、近年、安価な輸入品の増加により、国内の農林水産物の需要は低迷が続き、後継者不足に悩む農林水産業に大きな打撃を与えてきた。

一方、最近になって輸入品の安全性が危惧される事態が次々に発生したことから、安全で安心な国内の農林水産業への期待が急速に高まっている。

豊かな自然を背景として育まれた本県の良質かつ安全で安心な農林水産物は、地域の経済と県民の暮らしを潤し、本県を全国有数の食料供給基地に押し上げた、まさに誇るべき「宝」であり、その振興及び発展は県民共通の願いである。

本県は、これまで農林水産業が果たしてきた多面にわたる機能を再認識するとともに、県内農林水産物等がより身近な地域で流通し、消費されることで、県内農林水産物等に対する理解を深めるとともに、経済の循環や地域の活性化を促進し、県民の郷土愛を育むような取組を「くまもと地産地消」と位置付け、その推進を図ることを決意した。

今後、農林漁業と商工業の連携観光振興との連携、さらには、食文化等の生活文化の継承等に県、市町村、生産者、事業者及び県民が一体となって取り組み、「くまもと地産地消」を総合的かつ計画的に推進するため、この条例を制定する

 (目的)
第1条 この条例は、地産地消の推進に関する基本理念を定めるとともに、県の責務並びに市町村、生産者、事業者及び県民の役割を明らかにすることにより、本県における農林水産業の持続的な発展及び豊かな県民生活の実現を図っていくことを目的とする。 

(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 

  (1) 地産地消 県内農林水産物等を、より身近な地域で優先して消費することをいう。

  (2) 県内農林水産物等 県内で生産された農林水産物及びこれらを県内で加工したもの
       を いう。

 (3) 生産者 県内で、農林水産物を生産する者及びその組織する団体をいう。 

  (4) 事業者 次のいずれかに該当する事業者及びそれらの事業者の組織する団体をいう。

  
     ア 県内で、農林水産物の流通又は飲食としての提供を行う事業者  
     イ 県内で、農林水産物を利用した製品の製造、流通又は飲食としての提供を行う
        事業者  

(基本理念)
第3条 地産地消の推進は、県、市町村、生産者、事業者及び県民がそれぞれの
   責務又は役割を果たすとともに、相互に連携することにより行うものとする。  

 2 地産地消の推進は、県内農林水産物等に対する県民の理解を深めるよう行うもの   
   とする。

  3 地産地消の推進は、地域の伝統的な生活文化の継承に資するとともに、地域の
     活性化につながるよう行うものとする。

  4 地産地消の推進は、市町村、生産者、事業者及び県民の自発的な取組を尊重しなが
     ら行うものとする。  

(県の責務)
第4条 県は、基本理念にのっとり、市町村、生産者、事業者及び県民と連携し、かつ、
 協力して、地産地消の推進に関する施策を総合的かつ計画的に実施するものとする。

 2 県は、その設置する公の施設又はその主催する行事等において、農林水産物  
  又はこれらを加工したものの提供を行うときは、県内農林水産物等を優先的に提供  
  するよう努めるものとする。  

(市町村の役割)
第5条 市町村は、県、地域内の生産者、事業者及び地域住民と連携し、かつ、協力して、
 地域の活性化につながるよう、地産地消の推進を行うよう努めるものとする。  

(生産者の役割)
第6条 生産者は、基本理念にのっとり、より安全で安心な農林水産物の生産に係る自ら  
  の責任を自覚するとともに、消費者の意向を反映した質の高い農林水産物の生産に  
  努めるものとする。

 2 生産者は、農林水産物の品質等に関する情報を積極的に提供するとともに、県、市町
  村、事業者及び県民が行う地産地消を推進するための取組に積極的に協力するよう努め
  るものとする。 

 (事業者の役割)
第7条 事業者は、基本理念にのっとり、県内農林水産物等を優先的に取り扱い、又は使  
  用するよう努めるものとする。

 2 事業者は、地産地消の推進のため、県又は市町村が実施する取組に協力するとともに、 
  生産者及び県民と連携した自主的な取組を行うよう努めるものとする。  

(県民の役割)
第8条 県民は、農林水産業が果たしてきた多面にわたる機能と県内農林水産物等に  
   対する理解を深めるとともに、県内農林水産物等を優先して消費するよう努めるものとす
   る。

 2 県民は、より安全で安心な農林水産物を生産する生産者の取組を尊重するととも
  に、県、市町村、生産者及び事業者と連携し、かつ、協力して、積極的に地産地消に取り」  
  組むよう努めるものとする。  

(食育との連携)
第9条 県は、地産地消の推進に当たっては、市町村、生産者、事業者及び県民と連携 
   し、かつ、協力して、食育推進運動との連携を図り、効果的に行うものとする。  

(計画的な推進)
第10条 県は、農林水産業、健康づくり、食育、商工観光及び住宅に関する計画に地 
  産地消の推進に必要な施策を定めるとともに、地産地消の推進を目的とした体制を
  整備し、計画的かつ効果的な施策の推進を図るものとする。

 2 県は、前項の取組を推進するため、毎年、地産地消の推進に関する施策を取りまと
  
め、議会に報告するとともに、公表するものとする。    

附 則 この条例は、公布の日から施行する。 

(提案理由)地産地消の推進を県政の重要課題と位置付け、その推進を図るため、制定する必要がある。 これが、この条例を提出する理由である。